小学3年生からのフォニックス英語

「今こそフォニックス」第3章

児童たちからのフィードバック

今回のフォニックス学習が、児童たちにどのような変化をもたらしたのかを客観的に把握するため、校長先生のご協力のもと、83名の児童にアンケートを実施した。発音の習得状況や学習への意欲、聞き取りの変化など、フォニックス指導の効果を多面的に捉えることを目的としたものである。本章では、アンケート結果を設問ごとに整理し、そこから見えてきた学習効果や課題を考察する。また、自由記述で寄せられた児童の率直な声も紹介し、フォニックス学習が子どもたちの英語観や自信にどのような影響を与えたのかを明らかにする。

質問内容は以下の7項目である。

1. よし先生のレッスンは楽しかったですか。

2. アルファベット(a〜z)の発音は上手にできるようになりましたか。

3. 母音(a, e, i, o, u)を正確に発音するのは難しいと思いましたか。

4. ネイティブの音を母音別に聞いたとき、その母音が含まれているか聞き取れるようになりましたか。

5. 3文字の単語(例:dog)を発音できるようになったと思いますか。

6. 今までより英語の発音が上手にできるようになったと思いますか。

7. レッスンの感想・意見・質問(自由記述・無記名)

 設問別の結果と考察

① レッスンは楽しかったか

「楽しかったと思う」「少し思う」と回答した児童は 87%(82名中71名) であった。学習への前向きな姿勢が育っていることが分かる。

② アルファベット26文字の発音は上手になったか

「上手になったと思う」「少し思う」が 90%(83名中75名) に達した。

短期間でも確かな手応えを感じている児童が多い。

③ 母音の発音は難しいか

「難しいと思う」「少し思う」が 57%(83名中47名)。一方で「ふつう」「あまり思わない」が 43%(83名中36名) であった。日本人学習者にとって母音の発音が難しいことが改めて確認できたが、36名の児童は「やればできる」という感触を得ている。今後も継続的な練習が必要である。なお、子音の個々の音素を暗記することは初心者には負担が大きい。まずはアルファベットの「名前読み」を正確に身につけ、その後にフォニックス学習へ進む方が効果的だと考える。

④ 母音の聞き取りはできるようになったか

「聞き取れるようになったととても思う」「少し思う」が 91%(77名中70名) であった。予想以上に高い結果であり、フォニックス学習がリスニング力にも効果をもたらすことが確認できた。アルファベットの名前読みと、母音+子音の2文字発音練習を終えた段階でリスニング練習に入ると、より効果が高まると考える。

⑤ 3文字単語(CVC)の発音はできるようになったか

「とても思う」「少し思う」が 83%(83名中69名) であった。練習時間が十分に確保できなかったにもかかわらず、予想以上の成果が見られた。2月の最後のレッスンでは、児童の希望で全クラスが3文字単語の読みへ挑戦した。読めた瞬間に多くの児童が自信に満ちた表情を見せたことが印象的である。

⑥ 英語の発音は上手になったか

「とても思う」「少し思う」が 95%(80名中76名) と非常に高い結果となった。発音の重要性を強調してきた指導者として、大変嬉しい成果である。

発音の難しさが英語嫌いの一因になることも多いため、今回の結果は児童の英語学習への自信につながると期待できる。

児童たちの声(自由記述より抜粋)

以下は、無記名で寄せられた児童のコメントの一部である(順不同)。

• 「前よりも発音が少しできるようになってよかったです。これからもがんばります。」

• 「レッスンで前より母音が聞きとれたりするようになりました。」

• 「発音の仕方を教えてくれて、上手にできるようになれたので良かったです。」

• 「聞きとるのがむずかしかったけどたのしかったです。」

• 「よし先生の授業はとても楽しいけど、聞き取るのはあまりうまくできませんでした。」

• 「文が長い英語を読み取るコツを教えてほしいです。」

• 「英語がとくいじゃなかったけど、レッスンを受けて楽しく、きれいに発音できるようになった。宇宙飛行士のゆめにつながったと思った。」

• 「英単語が前より読めるようになったので、よし先生のレッスンを受けて良かったなと思いました。」

• 「いろいろな音が聞きとれるようになりました。5年生でもがんばります。」

• 「口の動かし方を見せてくれるので、とても分かりやすいです。前よりもっと発音がうまくなりました!!」

• 「単語を読むのが下手だったけど、一文字一文字に音があると教えてもらい、発音も聞く力も伸びて、単語を読んだり書いたりできるようになりました。Thank you!」

以上のアンケート結果と児童の声から、フォニックス学習は短期間であっても、発音・聞き取り・読みの基礎力に確かな変化をもたらすことが確認できた。特に、発音への自信の高まりや「英語が楽しい」という前向きな感情の芽生えは、今後の英語学習を支える大きな原動力となる。一方で、母音の発音の難しさや、より長い文の読み取りへの関心など、今後の指導で取り組むべき課題も明確になった。これらは継続的な学習の中で十分に改善が期待できる領域であり、次年度以降の指導計画に活かすことができる。フォニックスは、英語の「音」と「文字」の関係を理解し、自ら読める力を育てる基盤である。今回の結果は、その基盤づくりが確実に進んでいることを示している。児童一人ひとりが英語に自信を持ち、将来の学びへとつながる第一歩となったことを願ってやまない。

この章の最後に、私が英語教室での20年間の指導経験、そして小学校でのPLSシステム導入プロジェクトに10年間携わった経験から、フォニックス指導のポジティブな有効性として認識している点を記しておきたい。

1. フォニックスを学ぶことで、約70%の確率で初見の単語でも読める(発音できる)ようになった。文字と音の対応が分かるため、初めて見る単語でも“伝い読み”が可能になった。

2.カタカナ英語から離れ、英語らしい自然な発音ができるようになった。

3.聞いた単語のスペルを推測できるようになり、リスニング力の向上につながった

  同時に、音声からスペルを推測できるため、単語を書く際にも大きな助けとなった。

4.英単語のスペルが覚えやすくなり、単語学習の効率が高まった。

5.正しく発音できると意味を理解できる可能性が高まるため(既知語の場合)、読んで

みたいという興味が育った。その結果、自力で英語を読もうとする意欲や読解力が伸

び、中学校以降の英語学習にも確実につながっていくと感じられた。

本章で示した視点は、学校全体で英語教育を見直す際の重要な基盤となると信じる。次章では、より体系的な指導設計について具体的に提案したい。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です