小学3年生からのフォニックス英語

英語を聴き取るためのスキル

文法、単語、発音だ!

日本人はなぜ英語が苦手なのだろうか。今回はリスニング力を向上する方法を考えてみたい。

聴き取れない理由はいろいろ考えられる。字幕なしに洋画を楽しみたい、海外のドラマを楽しみたいという夢を持ちながら、英語が速すぎてついていけないとかんじたまま停滞している人が多くいる。その原因は次のようなことが考えられる。

1.英語のリエゾン(縮約、連結、脱落、同化など)の音に慣れていない。

日本人にとってはやはりリエゾンが一番手強い。リエゾンは日本語ではあまり起こらない現象なので慣れていないからだ。

先ず一つ目のシステムは縮約(Contraction)である。縮約とは、主語の位置にある名詞や代名詞とbe, have, 助動詞の組合せ、及びbeや助動詞とnotの組合せにおいて、2語を1語に縮めることである。例えば、I amをI’m, I haveをI’ve、I willをI’ll、I wouldをI’d、he isをhe’s、it isをit’s, My manager willをMy manager’ll、His name isをHis name’s、are notをaren’t、can notをcan’t、did notをdidn’t、is notをisn’t、There is をThere’s、Here isをHere’s、what isをwhat’s、how isをhow’s、when isをwhen’s、などがある。人称代名詞とbe動詞の縮約の例で、He’s の発音について注意して欲しいことがある。heを[hi:]と言うように長母音で発音しないと、hisとなってしまうのである。

2つ目は、音の連結(Linking)である。英語は日本語と違って、語と語を滑らかに繋いでいく傾向がある。このことを連結という。語尾子音+語頭母音の組合せの場合や、語尾母音+語頭母音の組み合わせの場合生じる。例えば、care of, an apple、stand up、look at、catch up、come in, sum up, log in, stop it, a lot of, a cup of tea, hang on、you and me、などがある。3つ目は、音の脱落(Elision)とDeletion(消失)である。脱落とは、音が消えてなくなる現象で、主に語と語が結合する場合に発生し、発話の速度が速くなれば起きやすい。音節を減らそうとして、母音が弱化したり、子音が脱落することもある。例えば、want to, stopped talking, white chalk, put them, good luck, this shop, good-bye, good morning, hot dog next day, hard time, sit down, take care, drop pencils, a hot tea, what timeなどがある。

2.単語・フレーズの知識が足りない

単語やフレーズの意味を知っているからといって、聞き取れることができるとは限らない。英単語やフレーズを覚える時の注意点を考えてみる。中学では約1,100語の英単語を最低でも学習するそれらは今後一番よく出会う最重要語である。あなどらないで「深く」学習することが肝心である。英単語はアクセントの位置を間違って発音すると理解してもらえない。そして発音記号はその後の学習を効率的にする。耳の記憶は目の記憶よりも強く心によく残るといわれている。加えて、聴くことにより、発音とアクセントの位置も同時に覚えることができる。発音できない音は聞き取れません。声を出すことは自分の声を聴くことにもなるので心に強く残る。音源とそっくりに発音できるまで練習しよう。語源は、単語と単語を関連づけることになるので、脳科学からも効率的な覚え方である。また、語源は知らない英単語の意味を想像しやすくしてくれる。1つの単語で複数の訳語がある場合は、ネイティブが持つ、すべてに共通する中核的なイメージを意識すると効率的である

3.英語の発音を克服していない。

我々日本人は日常的に約125ヘルツから1500ヘルツの低音音域で生活しているので、1500ヘルツ以上の英語音を聞き取るのが難しいのは当然である。英語を聞き取れない原因は、音域の違いに慣れていないだけであろうか。それだけではない大きな原因があると私は考える。それは、学習者自身に正しい発音が身についていないからである。つまり、本人が頭の中で認識している音と、聞こえてくる音とが一致しないからだ。多くの言語学の専門家や脳神経外科医の研究によると、英語学習において、自分が正しく発音できない音は、聞き取れないと言われている。メカニズム的には、耳から入ってきた言葉の意味を脳が検索にかける前に、意味のある音とそうでない音を区別する。その際に、今までに発音したことがある音は「有意味」、発音したことがない音(発音できない音)は「無意味」であると選別するので、発音できない音は意味を理解する前に流れて行ってしまう。そのため、正しく発音ができる英語を増やす必要があり、英語独特の音の規則性を学ぶことが大切となる。もし相手の言っている内容が聞き取れなければ、会話は成り立たないし、続かない。文字で書けばわかる単語でも、音として聞いた時に聞き取れない。この聞き取れないということが、日本人にとって英語が苦手な一番の原因だと私は考えている。

4.英語の基礎文型や語順を克服していない。

文法とは「単語の並べ方」を学ぶことだ。英単語を適当に並べるだけでは自分の言いたいことを「正確に」伝えることはできない。英文法というルールに従って並べなければならない。このルールはリスニングをする時にも大いに役立つ。英語の語順を学ぶには、5文型を学習するのを勧める。日本語と英語とでは、主語を除いて大半は反転している。5文型については、NHKラジオ英会話の中で大西泰斗氏が学校で学ぶ内容とは少し違った切り口で分かりやすく説明している。彼は5文型を1.自動型(主語+動詞)、I jog. 2.説明型(主語+動詞+説明語句)John is a student. 3.他動型(主語+動詞+目的語)I like Mary. 4.授与型(主語+動詞+目的語+目的語)I gave Mary a present. 5.目的語説明型(主語+動詞+目的語+説明語句)We call him Jimmy.の5つに分けている。ここまではさほど変わらないが、修飾に関わる語順の考え方とルールの名称が大きく異なる。英語で修飾に使われる語順には2通りしかない。指定ルール⇒前に置いた修飾語句は後ろを指定する。説明ルール⇒後ろに置いた修飾語句は前を説明する。指定ルールについて:「時表現」「助動詞」「否定」が動詞句の前に配置されるのは、動詞句の内容に関して「時」を指定・「心理内の話であること」を指定・「否定的内容であること」指定するためである。指定ルールの例をいくつか紹介する。Close the door! He is a strict teacher. His English was surprisingly good. He always gets up before 6:45.  説明ルールについて:「後ろに置けば説明となる」このルールが適用される多くの形で、英語と日本語は語順が反転するため、このルールへの習熟が会話能力を大きく左右する。説明ルールの例をいくつか挙げてみる。I ran really fast. I met her at a café in Ginza. We call him Jimmy. I think he’s a great teacher. 最後の文の he’s a great teacherの部分に関して、大西氏は「レポート文」と呼んでいる。「レポート文」はたいへん頻繁に使われる重要な形である。主語の思考・感情・知識・発言などをリポートするが、文の成り立ちはやはり説明ルールである。thinkの内容を節(文中で部品として使われる「小さな分」)を後ろに置き説明している。I know a girl who wants to become an astronaut.この文は関係代名詞修飾である。説明ルールは「大切なことは先、説明は後回し」という英語の根底にあるリズムを写し取っている。話しては先ず「a girlを知っている」と文の主要部分を先に出している。どんな女の子なのか、背の説明は後回し。ゆっくりと「宇宙飛行士になりたい、ね」と説明している。「宇宙飛行士になりたい女の子」と修飾が常に」前に置かれる日本語とは語順が反転するのである。 繰り返すが、話すときも聞き取るときも語順は我々日本人にとって最重要ルールである。

5.スピードを克服していない。

この課題を克服するのは簡単ではない。NHKラジオ英会話の講師、大西泰斗氏によると、自然なスピードの英語を聞き取るためには100回音読を勧めている。番組の中の音声は、最初は速く感じるかもしれませんが、さすがに100回繰り返した英文は、ゆっくりとした音声に聞こえるようになる。それでは、ここから私の実体験を通してリスニング力を向上する方法をお話したい。私は現在NHKのラジオ英会話(月~金)を教材として使用している。リスニング力を高めるために、最初は教材を見ずにダイアログを聴くようにしている。理解できないところ、聴き取れないところに意識を集中して、何度か聴いてみる。そして、聞き取れなかったところを今一度目で確かめてみる。最近は、年齢とともに難聴になり細部まで聴き取れないケースが多い。例えば、短く発音されるthe、that,その他特に前置詞など。でも、聴き取れなかった英文を数回音読して聴きなおすと聴きとれる。これこそ、スピードのついていくヒントになるのではないか。 余談ではあるが、最近テレビドラマを字幕を見ずに訓練していると、以前より聞き取れる確率が上がったように感じる、この年齢で!

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