その2では児童レベルのコミュニケーション力に焦点をあててみた。次のレベルは中学生や高校生のレベルに焦点をあててみる。このレベルになると、他のブログでも述べたが、真の英語力を身につけるには語彙力、発音力、文法力が重要となる。語彙力に関しては、多読をし語彙のイメージを理解し、そしてコロケーションで暗唱できるまで訓練して欲しい。発音力に関しては、私が実践した小学校でのフォニックス指導の報告を参照にて欲しい。脳科学的にも言語野にある機能を臨界期と言われる9歳ごろまでに日本人学習者に適した方法で指導して欲しい。私の小学校でのフォニックス指導の詳細は他のブログで述べている。
なお、フォニックス指導の報告はブログで述べたが、なぜ音声指導から学ぶべきなのか脳科学者の研究報告について簡単に触れておきたい。彼らの多くは「英語の学習には、英語の言語中枢を形成する必要がある。」と主張している。「言語中枢はそれぞれの言語によって個別に作られ、日本語を母語とする私たちは日本語の言語中枢を持っている。脳の伝達は聴覚中枢から出発し、話す中枢、読む中枢、書く中枢へとつながっているため、言語中枢をつくるにはまず聞くことから始めなければならない。」とある。英語の言語中枢ができるように学習することが一番求められるのではないか。英語を聞いて英語で理解する。話す時は日本語を経由せずに話せるように、学習者や指導者は取り組むのが大事である。
それでは、その3では3番目の文法力について考察してみる。正しい文法力は相手に正確に伝える上で不可欠である。一口で文法力と言っても中身は広い。その中でも、私の経験から言って5文型の学習が一番重要で役に立つと思う。NHKのラジオ英会話の講師である大西泰斗氏が言っているように、燈語は配置の言葉である。英語は語順を学ぶ言葉である。ここでは、彼が言っている5文型が従来の学校英語とは少し違っており、理解しやすいと思うので簡単に紹介する。
彼は従来の5文型を次のように纏めている。動詞句の形は5つの基本的なパターンしかない。これを彼は「基本文型」と呼んでいる。それらは、
- 自動型:I jog. 主語+動詞。対象(目的語)を伴わない、単なる動作を表す。
- 説明型:John is a student.主語+動詞+説明語句。主語についての説明。Be動詞が典型ですが、他の動詞(lookなど)が使われた場合「 オーバーラッピング」と呼ぶ。動詞の意味が文全体にオーバーラッピングする。
- 他同型:I like Mary.主語+動詞+目的語。動詞による働きかけが直接対象(目的語)に及ぶことを表す。
- 授与型:I gave Mary a present.主語+動詞+目的語+目的語。「あげる・くれる」といった授与関係を表す形。
- 目的語説明型:We call him Jimmy.主語+動詞+目的語+説明語句。目的語の説明が後続する形。この文には「彼=ジミー」という説明関係がある。
今回は動詞句の形に焦点をあてたが、時表現・助動詞・否定の語順や、修飾に関わる語順も重要なので次回その4で述べることにする。