小学3年生からのフォニックス英語

日本人がスラスラと英語を話せるようになるためには その1

私と英語とのつき合い

「日本人はなぜ英語をスラスラと話せるようにならないのか」。その答えがやっと見つけたような気がする。私は中学・高校・大学の計8年間英語と向かい合ってきた。そして外資系航空会社に30年間勤め、英語が必要とされる時、例えば外国人マネージャーとの会話や会議、英語を話す外国人客との会話の時等は英語でコミュニケーションをとった。退職後福岡に移り住み、20年間小学生、中学生、高校生に読み・書き・文法・リスニングを指導してきた。73才でセミリタイアをして、現在は福岡市内の小学校でボランティアとして英語クラスをお手伝いして5年になる。このように私はかなり長く英語とつきあってきたが、まだ何かやり残しがあると感じている。私の現在の英語のリスニング力は、日本語字幕なしにBBCニュースの70%~80%を理解できるが、ドラマとなるとそのパーセンテージはぐんと下がる。スピーキング力に関しては、話す機会がほとんどない。それでも日常会話であればある程度できると思うが、内容が必要な会話やディスカッションはあまり自信がない。今は、NHKのラジオ英会話を何度も何度も聞いて、基本になる例文を音読暗誦して独学している。

 今まで、私は「なぜ日本人は英語が苦手なのか」について考えられる原因をHPのブログなどで発信してきた。スピーキングの前にリスニング力を育む必要があると考えてきた。それには、フォニックス指導が児童学習者にとって不可欠である、と教育委員会に何度も何度も提案してきた。今、冷静に私の英語力を観察した場合、リスニング力はある程度あるが、スラスラと中身が伴う話す力はあまりない。私の学習方法は間違っていたのではないか、と考え始めている。スラスラと話せるための学習方法はあるのだろうか。今回は自分自身のスピーキング力をアップする方法、スラスラと話せるようになる方法を探ってみることにした。

 前述したように、私はリスニング力と比べるとスピーキング力はかなり劣る。リスニング力の半分程度のスピーキング力しかない。それは何故なのか。一般的に第二言語(≒外国語)は、インプットされたものを知識として定着させ、最終的にアウトプットにつなげていくプロセスを経て習得される、と言われている。であれば、私の場合インプットは、すなわち単語、発音、文法については十分とは言えないがあるほうだ。そしてまた、アウトプットできる量というのはインプットの量で決まり、アウトプットできる量というのはインプットの量より少なくなる、と言われている。私自身の例を見て、これらの理論に私は納得する。

自動的に口から英語が出てくるには

さて、それでは如何にアウトプットするのが効果的な学習方法なのか考察してみる。見つかればそれを実践してみたい。そのために、私が参考にしている研究書や英語指導者について記しておきたい。先ず、NHKのラジオ英会話講師である大西泰斗氏である。彼がよく口にする言葉がある。「音読暗誦そして自動的に口から出てくるフレーズを増やしなさい、日本語を経由しないで英語で考えなさい」等など。次に、最近ネット上で出会った「The English Club」である。アウトプット力をアップするための方法として彼らが奨励する箇所は大変参考になる。少し長くなるが「The English Club」の提唱を次に紹介する。

大人の脳の性質に合った英語の学習法の基となる考え方がある。それは、まず「理解」し、その理屈を「記憶」し、その習得した知識を何度も繰り返すことによって、注意を払わなくても無意識的、自動的に使えるようにすることだ。「自動的」に使えるようにすることを第二言語習得研究では「自動化」という。例えば、インプットの場合は、単語の意味を理解できれば文法の知識があまりなくても大意は取れる。しかし、アウトプットする際は単語を正しく並べるための文法の知識がより重要となる。また、単語については、理解できる単語(認識語彙)を使える単語(運用語彙)に変換するためにはしっかりと理解する必要がある。アウトプットすることにより、そのような文法や単語の知識をより深くする機会が得られるのだ。「内在化」だけではない、アウトプットによって自分の知識の穴の「気づき」を与えてくれたり、自分の言いたいことが伝わるかどうかの「仮説検証」や、知識を無意識的に使えるようにする「自動化」(統合)の機会も与えてくれる。アウトプットすればどんどんアウトプットできるようになるということだ。余談だが、アウトプットは記憶の定着を促進することが脳科学(神経科学)研究で知られている。米パデュー大学のカーピック博士の脳科学に関する研究論文によると、「私たちの脳は、情報を何度も入れ込む(インプット)よりも、その情報を何度も使ってみること(アウトプット)で、長期間安定して情報を保持することができる。」と指摘されている。インプットを繰り返すよりもアウトプットした方が効率的に学習できるということだ。』そして、次のように続けている。『第二言語を習得するには、インプットに加えてアウトプットも必要だということがご理解できたと思うが、実は実際にアウトプットする必要はない。「アウトプットが必要な状況に置かれること」が必要なのだ。』とある。これを読んで私なりの理解だが、独学でも会話は学習できるのではないかと考え始めた。アウトプットが必要な状況に自身をおいて学習できればOKなのだ。

 その2では、具体的な学習方法を考えてみる。ぜひ引き続きお読みください。

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