小学3年生からのフォニックス英語

日本の小学校英語教育は今のままでいいのか?

10年後の小学校英語教育の様子が想像できる気がする

福岡市教育委員会の方針について

2020年4月から始まった小学校における英語教育が5年目に入った。私はその間ゲストティーチャーとして、中学年、高学年のクラスを手伝ってきた。文科省は何がうまくいっているのか、何がうまくいっていないのか、検証する時期に来ている。それには先ず自分たちの目で現状を検証すること、現場の教師たちからの声を聴いてみることも重要である。現場を経験している私の目にはいろいろな改善すべき問題点が見えている。例えば、クラス担任教師の英語力について、英語専科教師の英語力について、ALTの資質と指導力について、教科書の内容と教材について、音声指導方法について、等々。その中で音声指導方法を明示的に改善することが児童たちに一番早く役立ち効果的だと考えている。ここでは音声指導に絞って私の考えを述べてみる。

2024年7月、音声指導の改善を提案したところ、教育委員会から次のようなお返事を2ついただいたので紹介する。これらを読むにつけ日本の英語教育の行く末を心配するのは私だけであろうか。5年後、10年後遅々として前進していない姿がこの老いた目には見えて仕方がない。

回答1;:

福岡市小学校の英語教育については、学習指導要領を踏まえ、外国語による「聞くこと」「読むこと」「話すこと」「書くこと」の言語活動を通して、コミュニケーションを図る基礎となる資質・能力を育成することをねらいとしています。 特に中学年の外国語活動においては、武田様をはじめゲストティーチャーの方々のお力添えもいただきながら、生きた英語に触れさせ、楽しみながら外国語のリズムや発音などに慣れ親しむ活動を行っています。 武田様からご提案いただいたフォニックス導入については、「発音と綴りとを関連づけて指導すること」が、中学校の指導内容でもあることから、教育委員会といたしましては、ご要望に沿うことは難しいですが、ご意見いただいたことも参考に、今後とも英語教育の充実を図ってまいります。」

このお返事に対して私は次のようにお返事を出した。

「お名前が分かりませんが、ご検討していただきまして有難うございました。新学習指導要領に従って指導するとの方針は分かりました。ただ単に学習指導要領を理由にするのではなく、フォニックス指導の是非論がいただきたかったです。例えば、指導要領では中学生からとありますが、小学生の児童に導入するのは何故ダメなのか、とか。私は実践を踏まえたうえで導入するのが児童たちのためだと申し上げたつもりでしたが、、、。学習指導要領を盾に音声指導の改善に取り組もうとする可能性は無いようですね。最後に、勇気を持って児童たちのニーズに応えている教育委員会をご紹介しておきます。大阪府は府内の20の小学校を研究協力校に指定し、2014年より実践研究を行っており、その成果を取り入れています。ネットで調べた範囲ですが、以下実践校を紹介します。東京都小金井市立小金井第3小学校、緑小学校。つくば市、大阪市西区、福島区、和歌山高野町小学校、津市、富山県上市町、加東市等々、実践校の数は全国に広がっています。ご参考までに。福岡市の教育委員会で小学校の音声指導の改善に取り組む日が一日でもでも早く来ることを切に願っております。」と

志免町教育委員会の姿勢について

「日頃より志免町の教育について関心をおもちいただきありがとうございます。
また、昨年度より、何度も英語教育についてのご意見を賜り誠にありがとうございます。

志免町の小学校におきましては、英語教育に関してはその充実を図ることを目的とし、業者と提携したALTの活用や研修等を重ねて授業等を進めているところです。そこでは、学習指導要領に基づいた教育課程の展開やALTと担任が連携した授業づくりなどに力を注いでいます。

外国語科の「話す」「聞く」「読む」「書く」活動のいずれも偏りなく身に付ける指導について教職員の研修を重ね、志免町の子供たちの英語力向上を目指してまいります。

貴重なご提言をありがとうございました。」

このお返事に関して、お返事しようと思ったがさすがに失礼になると思い出さなかった。もし返事したとすれば、次のようになったと思う。「あなたのお仕事は業者を探し契約することではありません。児童たちのニーズに応えるべく授業の質を検証し、その向上に努力すべきです」と。

2024年8月25日

p.s. 自分で善だと思い込み、一方的に主張することは傲慢や驕りに落ち込みやすい。最近はそれを意識しながら提案をしてきたがなかなか思うようにいかない。Constructive criticismという言葉があるが、私の提案がそうあることを願う。一方的な批判に終始しないように心掛けなければならない。それにしても英語教育の弱点が私には見える気がする。

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